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レトロで大衆的で今風。Caro Emerald「That Man」

6記事目。

レトロでスウィングな雰囲気のジャズヴォーカリスト、Caro Emerald氏の「That Man」をご紹介。

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ジョッキを交わせよ、今夜は踊ろう。

なんでもいいから音の出るヤツを!

革靴がなけりゃ手で叩け。そこにあるテーブル、それでいい。

Swing , Swing , Swinging ! !

 

 

オランダ出身のジャズヴォーカリストであるCaro Emerald氏は、大人の甘さと、そして力強さをあわせもった魅惑的な声の持ち主です。歌詞もあわせて情熱的。

「That Man」をファーストトラックに置く彼女のファーストアルバム『DELETED SCENES FROM THE CUTTING ROOM FLOOR』は2011年にリリースされ、本国では30週連続首位を記録。

オランダではかなり有名なアーティストのようす。

 

イントロから、レトロで大衆的なスウィングジャズがたまらないこの一曲。

赤レンガ造りの路地を抜けて、古き良き欧州の大衆酒場へ。

仕事明けの労働者の熱の渦中へと、瞬時にタイムスリップしてしまったかのような錯覚を覚えます。

 

アルバム前編を通して、ひとつの''場''を魅せてくれる本作品。

1950年前後にルーツを辿る彼女の音楽的才覚は、しかしながら、ただ古典をなぞるだけにとどまりません。

彼女の作品には、スクラッチ等のHip-Hop由来の文化をはじめとして、今風な感性が随所にスパイスとしてちりばめられています。

スウィングジャズというものを、いわゆる''古典的''なものとしてではなく、古き良きのエッセンスを確かに残しつつ、それを現代的にアップデートした音楽として聴かせてくれるのです。

 

それが踊りださずにいられないほど大成功しているのは、スウィングジャズもHip-Hopも、どちらも大衆から生み出された音楽文化ゆえでしょうか。

 

【国内盤】DELETED SCENES FROM THE CUTTING ROOM FLOOR

【国内盤】DELETED SCENES FROM THE CUTTING ROOM FLOOR

 

 

こうやって古き良きものを現代のセンスで洗練することって、内実をともなったオシャレの法則のひとつじゃないかなと思ったり。

 

では、また。