白のキャンバスへ淡い吐息で描く。ESNO「Visionary」
15本目の記事。
ESNO氏の「Visionary」をご紹介。
あの春の風の日の幻を。
色彩を越えてどこまでも
ふわり、と。
白のキャンバスへ、淡い吐息で描く。。。
ジャジーなミュージックを得意とするトラックメイカー、Kenichiro Nishihara氏。本楽曲は、彼のESNO名義でのファーストアルバム『Visionary』に収録されています。
ESNOは、氏が自身の音楽活動の源流とも述べるエレクトロニカに重きをおいたプロジェクト。
そのファーストアルバムのタイトルともなる本楽曲は、氏の洗練された音楽観を肌で感じられる作品となっています。
軽やかなピアノにリードされて、何か予兆を感じるような電子音。
ビートが重なると勢いもいや増しに、カラフルな音の世界を転がっていくようです。
飴玉のきらめくような光景に、甘く透き通った女性ヴォーカルが花を添えます。
印象的なのは、0:34など時折に入る、電子のざわめくような音。
どこか懐かしいアクセントで楽曲を飾っています。
『Visionary』のアルバムジャケットをそのまま、音像化したような一曲です。
ジャケットが魅力的であれば、音楽はもっと魅力的になります。
聴き手はそれを想起しながら音楽を聴くから。
そして、絵や写真、デザインと同じく、CDや書籍の紹介コピーにも、音楽や物語にさらなる魅力的な世界観を添える力があります。
そんなふうな紹介文が書けるといいな、と思うものです。
では、また。