灯されては消えゆく郷愁。haruka nakamura「cadenza」
19本目の記事。
1日の終わりを感じさせるような余韻の美しいアコースティック作品、haruka nakamura氏の「cadenza」をご紹介。
鍵盤から心の渦が
ほどけだすようで
指先から光の粒が
こぼれだすようで
夜闇の奥に、影がともるよ。
haruka nakamura氏の1stアルバム『grace』の終わりを飾る本作品。
アナログな質感でまとめられており、郷愁と風景が滲み出すよう。音のひとつひとつがやわらかな光を生み出しているようで、奏者ひとりがピアノに向かう情景には不思議なあたたかみを感じます。
灯されては儚くゆるり消えていくようなピアノソロ。
レコードやテープが回るような心地よいノイズ。
かすかに乗せられた秒針音。
物想いにひたっていると、いつのまにか楽曲は終わりを迎えています。
なお、タイトルの''cadenza''とはイタリア語由来の音楽用語で、オーケストラにおける独奏者の即興演奏をあらわす語のようです。その題のとおり思いの向くまま鍵盤を触れるような演奏は、余韻の美しさをいっそう際立たせています。
- アーティスト: haruka nakamura
- 出版社/メーカー: schole
- 発売日: 2008/05/02
- メディア: CD
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grace / haruka nakamura - SCHOLE SHOP
haruka nakamura氏は、nujabes氏を介して知ったアーティストのひとり。
こういう空気感のある楽曲が好きです。
では、また。