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しろくけむった音のない国で。松任谷由実「BLIZZARD」

21本目の記事。

銀世界のロマンスを思い起こさずにはいられない、ユーミンの「BLIZZARD」をご紹介。

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ふたりの列車のシュプールを...

かきけしとざす結晶たちと

ふたりの男女のロマンスを

しろくけむった音のない国で

 

 

1987年の映画''私をスキーに連れてって''の挿入歌のとしても有名な本楽曲。

「恋人はサンタクロース」等もあわせたユーミンの音楽は、当時のスキーブーム、それにつらなるビビッドでトレンディーな空気を想わせます。その時代を経験していない若者にとってもそれは同じく、80年代という時代に満ちていた憧憬を追体験するようです。

 

サビのリズムはもはやスキーシーンの象徴で、思い起こすだけで銀世界とロマンスがむすびつく情景が目に浮かびます。現代よりもすこし色が濃くて、情にあふれて荒削りな。そういう年代のポスターの色合いの世界。

歌詞がほんとうに詩的なのも魅力。それも気取ったものではなくて、古典にもなっていなくて、現代に通用するポップスとして。時代を超えて通用する、ロマンチックなあこがれを感じさせてくれます。

 

本楽曲は、1984年に発表された、ユーミン通算16枚目のアルバム『NO SIDE』に収録されています。 

NO SIDE

NO SIDE

 

アルバム概要については下記Wikiを参照ください。

NO SIDE - Wikipedia

わたしが聴いているのはベストアルバムなもので・・・ 

松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (通常盤)

松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (通常盤)

 

 

冬ももうすぐ終わってしまうということで、何を今更?というような楽曲を紹介してしまいました。以下、ちょっと長くなりますが思いの丈を。

たしかに''ダサい''んですよ、こういうトレンディーな音楽と歌詞って。だって古いもので、ぼくらの親世代の音楽なわけで。価値観の分散しすぎた現代においては、親世代が経験してきたような大規模なブームに恋愛志向がのっかるなんて事態は今後ほぼほぼ起きようがないわけで。そもそも''ブーム''なる概念自体が都市伝説のようになりかけている現代においては、スキー場のロマンスなんて、ミステリー小説でいう絶海の孤島や雪山の山荘のような、もはやコメディーに片足突っ込んでるネタでしかありません。

コイツナニイッテンノイタイ・・・、とか冷めた若者の多くは思うでしょうが。

 

でも、それがいいんですよ。

それがいいんですよ。

純粋にロマンチックなんです。

 

この楽曲には、恥ずかしいほどロマンチックな言動がゆるされた時代の空気と、そしてあこがれを顕現させるちからがある!

 

だからこそ惹きつけられるのです。 

 

 

こういう楽曲も紹介していきます。

では、また。